映画・ドラマ・CMなど多岐に渡って活躍している、フードスタイリストの飯島奈美。彼女が料理監修した映画やドラマ作品は多数あるが、どの作品にも、とにかく美味しそうな料理が登場する。『かもめ食堂』では、北欧の食堂で生姜焼きやとんかつに焼き魚といったほっかほかの和食。また、『南極料理人』では、極寒の極地でのおにぎりと豚汁、ラーメンに伊勢海老フライなどバリエーション豊かな温かい料理がテーブルを彩る。
さらに、映画化もされたドラマ『深夜食堂』は、赤いウィンナーや甘い卵焼きに、カツ丼やあさりの酒蒸しなど、客のリクエストで作るメニュー。
はたまた、『海街diary』では、舞台の鎌倉らしい生しらす丼やアジフライ、懐かしい感じがするちくわカレー。
そんな数々の作品で心に残る料理を魅せてきた、飯島奈美と岡本柚紀らが料理
監修をしている現在全国公開中の『461個のおべんとう』では、親子の絆で生まれる美味しそうなお弁当の数々が登場する。本作は、シングルファザーであり、ミュージシャンの主人公・一樹(井ノ原快彦)が一人息子・虹輝(道枝駿佑)との約束のために高校三年間毎日作った計461個ものお弁当を通して、親子の絆と成長を描いている。出来上がったお弁当は彩りもよく、見てるだけで食欲をそそる。さらには、料理シーンの映像や音にも空腹感を刺激されてしまう。
本作をご覧になった方々から、親子の絆に感動する感想とともに、「観ていて、おなかすいた〜」という声がSNSで続出している!また、虹輝が教室でヒロミ(森七菜)と章雄(若林時英)とお弁当を食べるシーンでは、虹輝が自分のお弁当を食べつつ、その弁当を他の二人がつまみ食いする場面があるが、シーンのカットがかかると、飯島が率いる料理監修チームがすぐに補充するということが何度か繰り返された。実際、何人前作ったか分からないと話すぐらいの量を準備していたため、三人が美味しくてつい食べ過ぎることが多々あったようだ。こうして、三人だけではなく、観ている方も幸せな気分になれる学生たちのお弁当タイムが生まれた。
料理監修スタッフは、「料理をおいしくさせるには “好き”という気持ちが欠かせないことを改めて、(本作を通して)感じました」と明かす。また、一樹のお弁当作りに関して「お弁当箱を日によって変える、新しい調理道具を自分で作るなど、何事も楽しんで取り組むのが上手。おかずだけじゃなく、ごはんを混ぜごはんにしたりそぼろを乗せたり、息子の気持ちを考えて、飽きさせない工夫も随所に見られる。忙しい日々の中、息子とゆっくり話す時間はなくても、毎日のお弁当の中に、たくさんの言葉が込められていたように思います」と語っている。誰かのために、お弁当を作ることは、その人の一日を思うことかもしれない。
また今回解禁となった、キッチンでお弁当箱におかずを詰める一樹の姿は、一生懸命でありながら、お弁当作りの時間を楽しんでいるようにも見える。是非、劇場で親子の絆とともに、美味しそうな数々のお弁当たちも注目してほしい。